2026年9月4日 · 文:Kiyo Darner · 約4分
10月10日がお好み焼の日なのは、それが焼ける音だからです
十は「ジュー」。だから10月10日は「ジュージュー」。
そしてジュージューは、熱い鉄板の上で何かが焼ける音でもあります。
10月10日が日本で「お好み焼の日」である理由はそれで全部です。しかも言い伝えの類ではありません。2006年に、まさにその語呂でオタフクソースが記念日として制定しています。同社の説明にはもうひと押しあって、そちらのほうが個人的には好きです。10・10の二つのゼロは、ホットプレートを囲む人の輪に見える、と。
ひとつの日付で、洒落を二回やっているわけです。
日本語は、音から言葉を作り続けています
英語にも擬音はありますが、隅に置かれています。bang、crash、buzz。だいたいは漫画と子ども向けの本のもので、大人が自分の夕飯を「クランチクランチ」と表現したら、何かの芸だと思われます。
日本語にはこれが何千とあって、しかも普通の大人の語彙です。二種類あって、面白いのは二つ目のほうです。
擬音語は、実際の音です。何かが本当に出している音。ジュージューがそれです。
擬態語は、音ではありません。手ざわりや状態やありようを、音の言葉とまったく同じ形をした言葉で表します。この世界に「モチモチ」と鳴っているものはありません。無音です。それでも日本語話者は全員、それが口の中でどういう感じなのかを正確に知っています。
この二つ目のカテゴリーには英語に対応物がなく、日本のメニューが英語のメニューにできないことをやれる理由もそこにあります。
メニューで出会うもの
ここからが、雑学ではなく実用です。
サクサク:軽くて乾いた、砕けるような歯ざわり。よい天ぷら。揚げたてのカツ。
パリパリ:もっと薄く鋭い。餃子の羽根、鴨の皮、まだしけっていない海苔。
カリカリ:硬く締まった歯ごたえ。ガーリックチップ。よく焼いたベーコン。
英語はこの三つを全部「crispy」の一語で片づけます。日本語には別々の言葉があり、どれがどれかで意見が割れることもありません。
モチモチ:弾力があって密で、噛むと返してくる。よいうどん。もちろん餅。
プリプリ:張りがあって跳ねる。海老。帆立。
トロトロ:溶けて、とろけて、崩れる。じっくり煮た豚バラ。半熟の黄身。
ホクホク:乾いていて、ほろりとして、でんぷん質で、熱い。さつまいも。栗。これに当たる英単語は存在せず、本当に穴が空いています。
シャキシャキ:生野菜の澄んだ歯切れ。
フワフワ:軽く柔らかく、雲のよう。
ネバネバ:粘って糸を引く。納豆、オクラ、とろろ。英語では褒め言葉になりません。日本語では立派な褒め言葉です。
プチプチ:小さいものが弾ける。いくら。とびこ。
ズルズル:すする音。無作法ではなく、麺の正しい食べ方です。汁の上を空気が通るので、味がよく分かります。
みんなが間違えるやつ
ついでに書いておきます。日本語の俗語で自転車は「チャリンコ」です。
みんなが語る由来は、ベルの「チャリンチャリン」から来ている、というものです。僕も何年もそう言ってきました。いい話です。
ただ、本当かどうかは分かりません。有力な説が少なくとも三つあります。ベルの音。朝鮮語の「자전거(チャジョンゴ)」から来たという説。戦後の隠語で子どものスリを「チャリンコ」と呼んでいて、そこから横滑りしたという説。決着はついておらず、正直な答えは「不明」です。
これは戒めとして気に入っています。日本語は本当に音から言葉を作るので、それが自動的な前提になってしまう。そして間違った語源は、たいていその自動的な前提から生まれます。鉄板のジュージューは裏が取れます。自転車のほうは、よくできた話です。
10月の話に戻ります
うちのお好み焼きフライドポテトは、お好み焼きをやってほしいと言われ続けたのに鉄板を置く場所がなくて、それならと一式をポテトに乗せた冗談から始まって、そのまま成立してしまったものです。
10月10日に向けて、オタフクと何かやります。詳細はまだ手元にないので、決まり次第イベントのページに出します。
それまでは、新しい語彙をどうぞ。次に何かがテーブルに届いたら、それがサクサクなのかパリパリなのか考えてみてください。同じではありませんし、一度その差が聞こえるようになると、もう止まりません。
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