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日本酒

2026年8月27日 · 文:Kiyo Darner · 約4分

綾菊 さぬきオリーブ:オリーブから見つけた酵母で醸す

ボトルのリストに一本、85ドルで加わりました。香川の綾菊 さぬきオリーブ 純米酒です。オリーブから分離された酵母で仕込まれていて、企画ものに聞こえますが、そうではありません。

香川はオリーブの土地です

香川は日本でいちばん小さい県で、そして国内のオリーブのほぼすべてを育てています。小豆島とその周辺の海沿いです。始まりは国の試験栽培で、ほかの土地ではおおむね根づかず、ここだけで続きました。一世紀以上になります。

オリーブは香川を象徴するものです。だから県が自分たちの清酒酵母を探そうとしたとき、探しに行った先がオリーブでした。

見つけるまでに四年

さぬきオリーブ酵母が分離されたのは2019年。県の酒造組合と発酵食品研究所が、四年かけた仕事の末のことです。

四年は長すぎるように聞こえますが、何をする仕事なのかを知ると印象が変わります。野生酵母はどこにでもいます。あらゆる果実の皮の上にいて、そしてそのほとんどは清酒を造れません。低温の発酵を生き延び、上がっていくアルコールに耐え、必要な香気成分を出し、要らないものを出さず、それを毎回同じようにやってのける株でなければならない。酵母を「見つける」というより、何千と選別して、使えるものが一つあることを願う作業です。

綾菊は、見つかったその年から仕込みを始めました。

オリーブの味はしません

ここが分かっておく価値のあるところで、雲海の記事に書いたそば花酵母とまったく同じ話です。

酵母は、自分が採取された場所の風味を運びません。原料ではないからです。運ぶのは自身の代謝です。発酵中にどんなエステルを出すか、酸をどれだけ生むか、アルコールが上がるなかでどう振る舞うか。どこで採られたかは経歴であって、味の説明ではありません。

この酵母が与えるのはパッションフルーツとライチ、明るいトロピカルな性格と、その下のきりっとした酸です。そのどれもオリーブではありませんし、米でもありません。酵母の仕事です。花から採れた酵母だと言われていたら、たぶんそちらも信じたはずです。

ひとつの県で完結させる

残りの部分も同じ方針です。香川の酒米オオセトを60%まで精米。仕込水は阿讃山脈の伏流水。そして、あのオリーブ酵母。

米も水も酵母も同じ県で揃えるというのは、聞くより厳しい制約です。多くの蔵は兵庫の山田錦を買います。最良の酒米だからです。酵母も協会の頒布株を使う。すべてを地元でやるということは、自分たちの米と自分たちの酵母が実際に与えてくれるものを、そのまま受け入れるということです。

その条件で結果も出していて、2021年のインターナショナル・ワイン・チャレンジで銅賞、スペインのCINVEで金賞を取っています。

飲み方

冷やして、少し丸みのある器で。香りが仕事をしている酒なので、まっすぐな猪口では取りこぼします。

これは燗にしないでください。トロピカルなエステルが持ち味で、熱はそれを散らしてしまいます。

合わせるなら軽いもの。刺身、手巻き、焼き魚、柑橘をかけたもの。揚げものに耐える酸もありますが、うちの唐揚げのように主張の強いものの隣では、少しもったいない。

いつも辛口のほうを頼まれる方には、これはちょうど反対の端にある一本です。飲み比べる価値があります。