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カクテル

2026年8月24日 · 文:Kiyo Darner · 約4分

刀ショットができるまで(元はショットスキーでした)

Instagramを眺めていたら、ショットスキーが流れてきました。スキー板にショットグラスを4つ取り付けて、4人で持ち上げて、一斉に飲むというあれです。

面白そうだな、と思いました。反応はそれだけです。そのあとに来たのが、僕がだいたい何にでも思うことでした。これを日本のものにするには、どうすればいいだろう。

スキーの話、少しだけ

ややこしいのは、スキー板が出発点として悪くないという点です。日本のスキーは世界でも指折りですし、北のほうのパウダースノーはそれ目当てで飛行機に乗る人がいるくらい知られています。スキーをする人なら、もう知っている話です。

ただ、そこが落とし穴でした。知っているのはスキーをする人だけ。それ以外の人にとっては、日本のバーにたまたまスキー板がある、という以上の意味になりません。混み合った店内で、1秒で伝わらないものは、伝わっていないのと同じです。

刀なら、1秒で伝わります。

安全でなければ話にならない

いい思いつきでしたが、問題はすぐに来ました。

日本刀は刃のついた金属です。これから飲もうとしている4人に手渡すつもりは、まったくありません。見た目がどれだけよくても、その計算は変わりません。

そこで、素材の違う模擬刀をいくつか取り寄せて、どれなら実際に使えるかを試しました。行き着いたのは木刀です。形も重さも佇まいもあって、人を切れるところがどこにもない。

実際に作る

ここからが、思いつきではなく週末の作業になりました。

ショットグラスにはホルダーが要ります。そしてホルダーはシリコンである必要がありました。グラスをしっかり掴んで、少し弾力があって、勢いよくカウンターに置いても割れないからです。実際、勢いよく置かれます。

そして本当の難所は、シリコンを木に固定することでした。

まず木のほうを、丸いままにしておけません。木刀は刃筋に沿って反りと丸みがあります。刀としては正しく、何かを平らに取り付けるにはまったく向いていない。なのでミルウォーキーのサンダーを当てて、カップを載せるための平面を削り出しました。

次が接着です。シリコンは何かにくっつくことを徹底的に嫌がる素材で、木とよく馴染むエポキシの多くはシリコンには見向きもしません。両方を保持できるものを探すのにそれなりに調べ、そのあと、貼っては引き剥がして確かめる作業がそれなりに続きました。

試行錯誤を重ねて、ようやく機能して、機能し続けるものになりました。4人がかりでカウンターから引き上げるものに求められる合格基準は、それだけです。

中身のこと

もう半分は、グラスに何を注ぐかです。これについては、カウンターの反対側にいた頃の意見がありました。

20代から30代の頃、バーテンダーがおごってくれるショットは、たいてい安いメスカルかフェルネットでした。どちらも罰ゲームです。顔をしかめて、みんなが笑って、体験としては楽しんだというより耐えたに近い。

わざわざ全部作っておいて、そこに罰ゲームを入れる気にはなれませんでした。

なので中身はOKAのゆずウォッカです。米を原料に、ゆずを漬け込んだもので、造っているのは熊本の蔵。もちろんショットなので、飲めば味はしますし、しないふりをするつもりもありません。ただ、耐えるものではなく、味わって心地よいものです。

「棒に刺さったショット」について

うちのInstagramに、これはただの棒に刺さったショットだ、というコメントがつきました。

そのとおりです。棒に刺さったショットです。

同時に、4人で一緒に持ち上げて、一緒に数えて、一緒に飲まないと成立しないものでもあります。そこまで要求してくる飲みものは、そう多くありません。2名様から。お友だちと、ばかばかしいことをしにきてください。そしてストーリーに上げてください。