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コミュニティ

2026年8月16日 · 文:Kiyo Darner · 約5分

アップタウンの盆踊り ― ニューヨーク仏教会と、広島を生き延びた像

うちの活動はほとんどラドロー・ストリートで完結しています。この日はアップタウン、ウエスト106丁目のウエストエンドとリバーサイドの間です。今年でも指折りにいい一日でした。

ニューヨーク仏教会の「Bon Odori '26」は8月9日(日)の12:30から16:00まで。伝統的な盆踊りと日本文化の紹介、そして通りいっぱいの人。屋内ではなく106丁目の路上で開催するのは今年が2年目で、その差ははっきり出ていました。来場者は昨年よりかなり多かったと伺っています。

盆踊りとは

お盆は、ご先祖が生きている者のもとへ帰ってくるとされる夏の行事です。盆踊りはその踊りの部分。櫓を囲んで輪になり、繰り返しの振り付けをひたすら踊る。振りが簡単なのは意図的で、うまく踊ることが目的ではないからです。全員が踊る。初めての人も、前の人の手つきを見よう見まねでついていく。それでいい。

映像でしか見たことがない人が実際に驚くのは、その悠長さだと思います。何時間も続く。人が入っては抜けていく。子どもが輪の真ん中を走り回る。

106丁目のお寺

ニューヨーク仏教会がこの街にできたのは1938年。Hozen Seki師と妻のSatomiさんが、当時ニューヨークに浄土真宗の拠点がひとつもなかった状況で開かれました。浄土真宗は、13世紀初めに親鸞聖人が開かれた宗派です。

正直に言うと、今年まで僕はそのほとんどを知りませんでした。知った上で過ごすと、あの一日の見え方が変わりました。

なぜ「寺」ではなく「教会(Church)」なのか

これはデイヴィッドに直接聞きました。現理事長で、うちの常連でもあるので、聞ける相手がいたわけです。

創建時に意図して選んだ名前だ、とのことでした。1938年当時、こちらの人に通じる言葉は「church」だった。仏教寺院と言われても、多くのニューヨーカーには手がかりがなかった。「church」と名乗ることで、渡ってきたばかりの街に対して自分たちを理解可能なものにした。そしてその名前が今も残っている。

この話がとても好きです。近隣の人にどう理解してもらうかという90年近く前の判断が、今も名前そのものに残っているわけですから。

門前に立つ像

リバーサイド・ドライブ332番地の前を通ると、旅装束に大きな笠をかぶった銅像が立っています。高さ約4.5メートル、重さ22トン。親鸞聖人像で、1955年からそこに立っています。

この像は1945年8月6日、広島にありました。爆心地から2キロ前後。正確な距離は資料によって食い違いますが、一致しているのは、その距離でほかにほとんど何も残らなかったということです。

それでもこの像は残りました。

戦後、広瀬誠一氏が寄贈を申し出ます。当初は平和の象徴として国連に贈られる予定でしたが、置く場所がないという理由で断られました。そうしてこの像はマンハッタンの静かな一角にやってきました。前を通る人のほとんどは、この像が何を見てきたかを知りません。

僕は今でもあの像のことをよく考えます。マンハッタンの静かな通りに立っていて、あの朝その場にいた数少ないもののひとつなのです。

持っていったもの

シグネチャーの唐揚げと、柚子レモネードを提供しました。

2時間で完売しました。

これは成功として飾らずに書いておきます。成功ではありません。僕の準備不足でした。列ができて、3時間半のイベントの折り返し地点で食べ物が尽き、午後の後半に探しに来てくださった方は空のテーブルを見ることになりました。完全に僕の責任です。人出が増えるという意味を読み違えました。しかも仏教会の方からは事前に「今年は多いですよ」と伺っていたので、言い訳のしようがありません。

来年は両方とも大幅に増やして持っていきます。ここに書いておきます。

ひとつだけ正解だったのは、唐揚げが思った以上に持ち運びに強かったことです。小麦粉ではなく片栗粉の衣なので、時間が経ってもサクサクが続きます。8月の屋外に柚子レモネードを選んだのも、我ながら正しかった。

なぜ参加したのか

お声がけをいただく機会はそれなりにあって、うちが「はい」と答えるのはある種のイベントに限られます。主催する人が、自分たちの取り分よりイベントそのものを大事にしている場合です。今回はまさにそれでした。90年近くこの街に根を張ってきたお寺が、人が8月に一緒に踊るためだけに通りでお祭りを開いている。

うちの役割は食べ物のテーブル。小さな役回りで、それが正しい役回りです。

ニューヨーク仏教会のみなさん、お招きいただきありがとうございました。そして唐揚げがなくなる前に見つけてくださったみなさんにも。遅れて来られたみなさん、本当にすみません。来年は必ず。

うちの唐揚げについて一緒にやっている仲間たちについてもどうぞ。