2026年8月20日 · 文:Kiyo Darner · 約6分
TEN TEN NYC:毎週水曜、Jurakuに集まるアート系非営利団体のこと
まず、毎回まちがえられるので先に書いておきます。
TEN TEN NYCは、チャイナタウンのレストランとは別の団体です。まったく関係ありません。
TEN TEN NYCは、Ayaka May Komatsuさんが立ち上げた501(c)(3)の非営利アート団体です。彼らの言葉を借りれば、「アートと対話を通じて、アイデンティティ、メンタルヘルス、そして人間の在り方を探る場をつくる」団体。
そして毎週水曜の夜、Jurakuに集まっています。
始まりのこと
Ayakaさんと知り合ったのは4年ほど前。最初はお客さんでした。
その頃、TEN TENはまだ存在していません。あったのは、アーティストたちのゆるやかな集まりでした。自分たちの場所がまだないから、他の人のイベントに間借りする形で、ゲストショーやポップアップをやっていた。
そのどこかのタイミングで、うちがスポンサーになりました。誰かが宣言したわけでもありません。最初に渡したのは、ビール数ケースです。
本当にそこからです。ショーで誰かに手渡すものが必要だったアーティストたちに、ビールを。
そこから少しずつ大きくなっていきました。あとから記事にまとめると立派に見えますが、実際の育ち方はこういうものです。
いまのこと
当時のメンバーが全員そろっているわけではありません。よくあることですし、悲しい話でもない。AyakaさんとMomoさんが中心にいて、二人がつくったものは、僕が最初に見たバージョンより長生きしました。
TEN TENはいま、きちんとした組織です。
- 毎週の創作の集まり。これがJurakuの水曜の夜です
- パブリックアートの展示と文化イベント。Kawaii HolidayやTEN TEN FESTなど
- アーティスト・レジデンシー。新進・中堅のアーティストに、場所とメンターと制作環境を提供する取り組み
さらに、他団体のイベントの財政スポンサーも務めています。表には出ないけれど、その企画が成立するかどうかを左右する仕事です。うちがよく知っているのはShowdown Chinatown。あれはうちもスポンサーに入っています。
抱えているアーティストの顔ぶれは、4年前のビール数ケースから始まった付き合いにしては、あまりにも立派です。
いま、その傘の下にいる人たち
気づかないうちに、顔ぶれがすごいことになっていました。
村本大輔さんも一緒にやっています。日本ではウーマンラッシュアワーとして2013年のTHE MANZAIを制した方ですが、その後、原発や在日コリアンへの差別をネタに乗せ続けたことで、あの優勝が連れてきたはずの仕事の多くを失いました。そしてニューヨークに来て、英語で、誰も彼を知らない部屋で、無名からやり直しています。その過程を追ったドキュメンタリー『I Am a Comedian』もあります。
Kojimanさんも一緒です。札幌出身。昨年6月、Jurakuでアメリカにおけるお披露目をしました。TEN TENとShiroOneさんと組んだポップアップです。
Civiatelierも、ある時期は一緒に動いていました。うちでも何度かイベントをやっています。ファッションブランドが居酒屋のど真ん中にいる、という状況が何度も起きたのは、Kayさんの作品があったからです。いまは一緒には動いていませんが、あの時期は確かにあったし、良い時間でした。
そしてAyakaさんは最近、Sushi Movement NYCにも時間を使っています。日本にすでにあるものを、ニューヨーク版としてやりたいという創業者がいて、その手伝いです。まだ始まったばかりで、Instagramがあるくらい。ちょうど、僕がAyakaさんと出会った頃のTEN TENと同じような段階です。
プレスリリースには載らない話
課題は資金です。ずっとそうでした。
TEN TENはマーケティング用語ではなく、文字どおりの草の根です。パブリックアート、フェスティバル、レジデンシー、そして50回以上の水曜の夜。それを一年間まわしている予算は、想像よりずっと少ない。しかも動かしている人たちの多くは、別の仕事の合間にやっています。
だからいつも探しています。助成金、スポンサー、パートナー。何かを託してくれる人を。この街で商売をしていて、小さなスポンサーシップに意味があるのかと思ったことがあるなら、正直な答えを書いておきます。うちはビールから始まって、いまこうなりました。
寄付はこちらからできます。税控除の対象です。
続けている理由
広告ではなく応援を選ぶ、と前にも書きました。TEN TENは、その一番はっきりした例です。
同じお金を、知らない人に名前を見せることに使うこともできました。そうはせず、いまうちには毎週水曜、アーティストで埋まる部屋があります。そして一軒の飲食店が4年間「いいよ」と言い続けたことで、少しは形になった非営利団体があります。
Ayakaさん、Momoさん、そしてクルーのみんなとは、いまでは近い友人です。仕事の付き合いが友情になったのではなく、順番は逆でした。たぶんそれが、続いている理由だと思います。
メンタルヘルスというテーマも、受けがいいから選んだものではありません。運営している人たちが本気で気にしているし、それは彼らが何を企画するかに出ています。
水曜に来てください
ミートアップは毎週水曜の夜、121 LudlowのJurakuで。無料、出入り自由、アーティストでなくても大丈夫です。
制作中のものを持ってきてもいいし、手ぶらでもいい。どちらもふつうです。
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