2026年8月8日 · 文:Izakaya Juraku · 約3分
手羽先 — 名古屋の手羽先には2つの流派があります
日本で揚げた手羽先を頼むということは、名古屋の料理を食べているということです。
今のかたちの手羽先は、1963年に名古屋の風来坊から始まりました。以来ずっと名古屋が中心地です。地元を出ないまま全国に広がった、ああいうご当地料理の一つです。
2つの流派
スタイルは2つあり、その違いはほぼ「粉をつけるかどうか」に集約されます。
風来坊系が元祖です。衣を一切つけずにそのまま揚げる素揚げで、そこに甘めのタレ、白胡椒、炒りごまをまとわせます。手羽は中手羽の部分だけに整えます。
山ちゃん系は1980年代に登場しました。片栗粉をまぶしてから揚げ、手羽先の先も残し、タレは辛口で甘さ控えめ。そして店が配合を明かさない胡椒をたっぷり。ごまはなし。辛さはかなり上です。
どちらも二度揚げします。そこだけは共通です。
二度揚げの意味
一度目で鶏に火を入れ、皮の水分を抜きます。一度油から上げて休ませると、中の熱で水分がまた表面に上がってきます。
二度目はより高温で、その水分を飛ばして皮を固めます。フライドポテトを二度揚げするのと同じ理屈で、タレという濡れたものをまとっても、すぐにしなびず、パリパリのままでいられるのはこのためです。
うちの手羽先
うちは古い方の流派です。小麦粉も、衣も、片栗粉も使いません。手羽そのものを、二度揚げするだけ。
そこが一番わかりやすい違いだと思います。衣がないので、皮との間に何もありません。上に乗った衣が砕ける食感ではなく、鶏の皮そのものが硬く焼き締まった食感です。そこに熱いうちから甘辛のタレをまとわせます。
同じく揚げ物の唐揚げとは、まったく別の食感です。唐揚げは衣。こちらは皮です。
あまり知られていない一品
手羽先は、うちの中では目立つメニューではありません。人気のあるものの間に挟まれていて、実力のわりに注文が少ない料理です。
焼き鳥も唐揚げも一通り食べて、常連が頼んでいるのに誰も話題にしないものが欲しくなったら、これです。
Izakaya Jurakuで
手羽先は、Lower East SideのIzakaya Jurakuで提供しています。おしぼりは多めにお持ちします。
関連記事
気になったらぜひJurakuへ

