2025年11月7日 · 文:Izakaya Juraku · 約3分
マルス岩井ブルーラベル — 竹鶴をスコットランドへ送った男の名を持つウイスキー
日本のウイスキーの物語は、たいてい竹鶴政孝の名前から始まります。1918年のスコットランド、そして持ち帰った一冊のノート。
でも、彼を送り出した人の名前は、あまり知られていません。
岩井喜一郎。このウイスキーは、その人の名前です。
岩井喜一郎とは
岩井は大阪高等工業学校で竹鶴の先輩にあたり、蒸溜技術の専門家でした。竹鶴が摂津酒造に勤めていた当時、彼をスコットランドへ送り出したのが岩井です。日本人として初めてウイスキー造りを学びに渡英した、あの旅です。
竹鶴が持ち帰った手書きの報告書は、日本のウイスキー産業そのものの土台になりました。
それから数十年後、本坊酒造は岩井を顧問として迎えます。1949年にウイスキー製造免許を取得し、岩井は竹鶴の報告書を設計図として蒸溜所とポットスチルを設計しました。そのポットスチルは、50年以上経った今もマルス駒ヶ岳蒸溜所に残っています。
日本のウイスキーを可能にした人が、70代になってようやく自分でウイスキーを造った。マルスは、その名を主力ラインに付けました。
岩井ブルーラベルについて
長野のマルス駒ヶ岳蒸溜所(旧マルス信州蒸溜所)で造られるブレンデッドウイスキーです。標高およそ800メートル、日本アルプスの中にある蒸溜所です。
構成はシンプルです。コーン70%、モルト30%。バーボン樽で2〜5年熟成。アルコール度数40%。
コーン比率が高いのは意図的です。ドライで麦感の強いタイプではなく、柔らかく丸い味わいになるのはそのため。バーボンを飲む方には、たいてい一口で伝わります。
テイスティングノート
**香り:**シナモン、焦がした砂糖
**味わい:**紅玉りんごの皮、イングリッシュブレックファストティー
**余韻:**クリーンで、心地よいタンニン
おすすめの飲み方
これはハイボール向きのウイスキーです。妥協ではなく、本当に向いています。コーン由来の甘みは加水しても残り、タンニンがソーダに負けない骨格を作ります。背の高いグラス、氷たっぷり、よく冷えたソーダ、混ぜすぎない。
ストレートも良いです。ロックにするとさらに柔らかく、丸くなります。
相性の良い料理
唐揚げ。ハイボールが揚げ物の油を切って、次の一口をリセットしてくれます。タレの焼き鳥や手羽先も同じ理由でよく合います。
Izakaya Jurakuで
Lower East SideのIzakaya Jurakuで提供しています。岩井のハイボールと言っていただければ、きちんと作ります。
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